-ベトナム現地レポート-
「ニャチャン訪問記」
祝日が少ないベトナムにしては珍しく、今年は暦の並びが良かったために、4月下旬から5月上旬にかけて土日を含め5連休がありました。そんな連休を利用し、ベトナムの代表的な観光地である南部の街、ニャチャンに行って参りました。今回はニャチャンについてお伝え致します。
- ニャチャンの街について
ニャチャンはベトナム南部に位置するカインホア省の省都で、ホーチミンから飛行機で1時間程度の所にある港町です。ベトナムの東部は海に面しており、多くの漁港や港湾がありますが、ニャチャンはこの地方最大の漁港があり、新鮮な海産物が多く水揚げされます。また、もともとフランス領インドシナ時代に政府要人向けのリゾートとして開発された町で、早くから欧米人旅行者には人気の町でした。さらにニャチャン大聖堂と呼ばれる教会や、インドにルーツがあると言われるチャンパ王国の遺跡、ポー・ナガール遺跡、背後の山の上に大きな仏像があるロンソン寺などもあり、ベトナムでも有数の観光地となっています。
そんなニャチャンは、ベトナムがロシアと歴史的に友好関係を築いていることなどから、ロシア人のバカンスの地としても人気となっています。市内中心部にはロシア料理店やロシア語を流暢に話すベトナム人も多く見かけました。また、ローカルのレストランでもロシア語だけのメニューや、ベトナム語・ロシア語・英語が併記されたものがあるなど、ロシア人へのもてなしがしっかりとしている印象でした。
- ベトナムとロシアの関係
話は少しずれますが、ここでベトナムとロシアの関係について少しお話したいと思います。今年の4月上旬にベトナムのチン首相とロシアの副首相が会談を行い、両国の関係強化や経済、科学技術、文化などの分野での協力をお互いに確認しました。また2022年2月からのウクライナ侵攻への直接的な非難を避け、経済制裁にも加わっていません。これに以下のような背景があます。1946年から続くインドシナ半島における戦乱期に、当時のソ連は社会主義の盟主としてベトナムへの経済的・軍事的支援を続けてきました。そしてこの時期に多くのベトナム人がソ連に留学しており、その時の留学生は現在ベトナムの政治、軍、学術関係機関の中枢を担っています。さらにソ連は1979年から25年間、ニャチャンからおよそ30キロ南下したカムラン湾に太平洋艦隊の一部を駐留させていました。このようにベトナムとロシアは友好関係を長年維持してきました。
- 終わりに
ベトナム人に話を聞いても「ニャチャンはリゾート地として良い所」という答えが返ってきます。ですが、単なるビーチリゾートとしてだけではなく、時には暗い過去など様々な歴史がある街でした。日本からの直行便は無く、少し訪れにくい場所ではありますが、日本帰国時の水際措置も無くなりつつありますので、少し珍しい旅先を探している方のお役に立てれば幸いです。

ポー・ナガール遺跡

ニャチャン大聖堂

市内のロシア料理店

ロシア語のみのメニュー
以上
KIRABOSHI BUSINESS CONSULTING VIETNAM CO.,LTD.
岩田