第19回 「コロナ対策規制緩和後のホーチミンの様子」

ベトナム駐在員レポート

ホーチミン市は新型コロナウイルス第4波の影響により、ハードロックダウンが7月以降続いておりましたが、10月1日より人民委員会指示18号(18/CT-UBND)が発令され、新型コロナウイルスの感染防止策を継続しながら経済活動を徐々に正常化することに舵をきり、市内の外出・移動制限を解除致しました。今月のレポートでは制限が緩和されたホーチミン市の様子をレポート致します。

  • ベトナム国内のコロナ感染症対策に関わる規制

ベトナムは現在、コロナの感染状況を右記マップのように各省毎にレベル1からレベル4までに区分けしており、各レベルに応じて、規制を敷いています。レベル1が最も安全なエリアであり、感染状況が悪化すると共にレベルが引き上げられます。このレベルは各省が48時間前に通知することで、引き上げられることとなっています。

各レベル毎に認められている活動については、以下表のとおりベトナム政府が発表しています。レベル1は平常通りの活動が認められており、特段制限はありません。例えば、タクシー等の移動に関して見てみると、レベル1では制限がないものの、レベル3・4では不可・制限ありとなります。また、省をまたぐ移動については、レベル1・2では制限がないと記載されていますが、対応は各省にて異なることが実情です。現在、ハノイ市・ホーチミン市は共にレベル2ですが、ハノイでコロナ対策が強化されたため、ホーチミン市→ハノイ市に移動する場合は、ハノイ市にて7日間の自主隔離が適用され、初日と7日目に検査を受けなければなりません(ワクチンを2回接種している場合)。他の省に出張される場合は、該当する省の入省規制を予め確認しておくことをお勧め致します。

ベトナムのコロナ感染状況マップ

 

各レベル毎の規制一覧

  • ホーチミン市の街の様子

ここからは、ホーチミン市の様子として、オフィス出社やタクシーの移動、飲食店の様子をリポート致します。ホーチミン市はオフィス出社への出社を10月より認め、弊社も現在は平常通りの出勤体制としていますが、以下を厳守しなければならないとされています。

  • コロナ対応アプリ(PC-COVID)を活用した健康申告・入室管理(QRコードの読み取り)
  • 陰性証明書の提出(ワクチンを接種している場合は、出勤初日のみ提出)
  • オフィス内での感染対策(マスク着用・消毒液の完備・2M以上の距離を確保)
  • オフィスビル入口での体温チェック

グラブタクシー内のコロナ対策の様子

グラブタクシー内のコロナ対策の様子

次に、タクシーの移動ですが、車内でコロナ対策がとられているものの、特段不自由なく乗車はできます。ベトナムで多く使われているグラブタクシーでは、5人乗りの車に乗客1人しか乗車できないことや運用台数の制限(タクシー:保有台数の20%以下、配車アプリ:10%以下)もあり、通常であれば2・3分の待ち時間で乗車できる所が7・8分要したりと、通常よりも多くの待ち時間を要します。

飲食店についても、店内飲食が認められるようになり、活気が戻ってきています。週末になると、予約しないと入れない店舗もあるほどです。営業は午後10時まで認められ、レベル1・レベル2のエリアにおいては、アルコール提供も可となっています。顧客はレストランに入店する際に、以下QRコードをコロナ対応アプリ(PC-COVID)から読み取る必要があります。常であれば2・3分の待ち時間で乗車できる所が7・8分要したりと、通常よりも多くの待ち時間を要します。

 

 

 

  • 最後に

以上、コロナ対策規制が緩和されたホーチミンの様子をレポート致しました。ハードロックダウンの影響からベトナム経済も大きなダメージを負ったことから、今後は経済の回復を優先にコロナ感染の対策をとりながら、緩和の方向へ進むものと思います。一方で、コロナ感染が地方に広がっており、感染拡大の兆候も見られ、一部では緩和引き締めの対応も見られます。

外国人の入国は引き続きハードルが高いため、外国人の出張者向けのサービスは未だ先の見通しが立たず、撤退した店も多く見られることから、平常時のように支障なく、海外との行き来が可能になる日が待ち望まれます。

(2021年11月19日時点の情報を基に執筆)

 

以上

 Kiraboshi Business Consulting Vietnam Co.,Ltd. 福田