第5回「ベトナムの特例入国体験談」

ベトナム駐在員レポート

前回のベトナム現地レポートでは、以下2種類のベトナム入国手続きについてご説明致しました。

  1. 日越政府による入国オペレーション=「集団」特例入国

(過去実施:第1回=5月9日、第2回=6月25日~27日、第3回=8月20日~23日)

  1. 渡航に必要な各種手配は自社で行う=「個別」特例入国

8月19日、筆者は2.「個別」特例入国でベトナムに入国しました。本レポートでは、筆者の実体験を元に入国までの日本側での手続きやベトナムの隔離ホテルでの滞在についてご紹介したいと思います。

 

  • 日本での必要書類の準備(渡航前)

ベトナムへの個別特例入国は、ベトナム側で手続きをすることが大半ですが、日本側ではPCR検査の陰性証明書を取得する必要があります。

PCR検査は在ベトナム日本大使館がベトナム当局に通知した病院にて渡航日の3~7日前に受診する必要があり、ベトナム政府当局の指定項目を網羅した陰性証明書(英語)を取得する必要があります。ベトナム当局の指定項目を網羅した陰性証明書や指定病院については、在越日本国大使館のHPに記載されています。

筆者は渡航者医療センター(新宿区)にて渡航日の7日前に受診し、陰性証明書は翌々営業日に取得することができました。陰性証明書の発行必要日数は病院ごとに異なりますので、受診される病院に確認することをお勧め致します。

また、ベトナムへの入国前の24時間以内に医療申告をすることが義務付けられていますので、忘れずに申告しなければなりません。医療申告はウェブサイトから申告することができ、日本語にも対応しており、入国日やフライト情報等の基本情報を入力するだけですので、5分程度で完了します。

 

  • 渡航日当日

筆者は8月19日の日本航空のフライトで成田空港から出発致しましたが、空港は閑散としており、空港内の飲食店もほとんど閉店している状況で、コンビニエンスストア等の一部の小売店が開店している程度でした。一方、各航空会社のラウンジは開放されていることから、フライトまでの待ち時間はストレスなく過ごすことができました。筆者のフライトは20名程度の乗客しかおりませんでしたが、フライト中はマスクの着用義務はあるものの通常通り快適に過ごせました。

ベトナム(@ホーチミン)到着後は、空港内の出入国審査カウンターにて①人民委員会からの入国許可証②入国管理局からの招聘状③パスポート・ビザ④保健局からの隔離指示書⑤PCR 検査の陰性証明書⑥誓約書【COVID-19に感染場合、治療費はベトナム法人(又は招聘者)が支払う旨を記載】を提出して、入国することができます。

筆者の場合は、JALの従業員の方が終始アテンドして下さり、出入国審査カウンターで時間も要さず、入国することができました。然しながら、上記の書類が不足している場合、入国までに相当な時間を要しますので、日本出国までに確認されることをお勧め致します。空港を出た後は、空港外に待機している専用バスにて、隔離ホテルに移動となります。筆者が滞在したホテルはフランス資本のチェーンホテルのIbis Hotel Saigon Airportであり、空港から5分程度の場所にあります。日本人同乗者の7名が上記ホテルでの滞在であり、通常のチェックインとほぼ変わらない時間で、全員の手続きが完了しました。

 

<成田空港内の様子>

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<隔離ホテルまでの専用バス>

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<隔離ホテルでのチェックインの様子>

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<隔離ホテルの室内>

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  • 隔離ホテルでの滞在(8/19-9/3

隔離ホテルでの滞在は15泊であり、基本的には部屋の中で滞在します。後述致しますが、PCR検査の受診や食事・タオルや歯ブラシ等のアメニティグッズの授受の際には、同フロア内の廊下に出ることができます。

ホテル滞在中の一日の流れは以下のとおりです。

時刻 項目
8時 朝食
9時 PCR検査
12時 昼食
16時 翌日の食事の確認

PCR検査日時の伝達

18時 夕食

 

*①ホテル滞在中にPCR検査を4回受診します。

*②翌日の食事について、アジアン料理かウェスタン料理を選ぶことができます。

*③翌日にPCR検査を受診する場合、受診時間が伝達されます。

 

隔離ホテルでの滞在を経験して、最もストレスを感じたのは食事でした。隔離期間中は和食が提供されることはもちろんありませんので、お湯で調理できるインスタント食品を日本から持参することをお勧め致します。また、隔離ホテルへの差し入れは認められていますので、ベトナムに知人がいらっしゃる場合は、差し入れも可能です。部屋の清掃はホテルのスタッフが行うことはありませんので、自身で掃除機をかけたり、新しいベッドシーツや枕カバー、アメニティグッズをフロントに依頼して、取り替えます。食事やアメニティグッズ等は部屋の外の椅子に置かれます。

PCR検査は隔離期間中に4回受診することが義務付けられており、日本と同様に喉・鼻から検査を行ないます。検査結果表は隔離終了日のホテルチェックアウト時に受領します(陰性証明書)。ホテルチェックアウト後は自身でタクシーを手配し、自由に行動することができます。隔離終了証明書は2・3日後に、各個人のメールアドレスに送付されるとのことでしたが、筆者の場合は届かなかったため、弊社ベトナム人スタッフに依頼し、ホテルから送付してもらいました。

 

<アジアン料理>

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<ウェスタン料理>

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<食事のメニュー>

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<アメニティグッズ等が置かれる部屋の外の椅子>

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  • 最後に

以上、日本からの出国手続きや隔離ホテルでの滞在についてレポート致しましたが、実際に経験してみないとわからないことも多々あるため、何かご不明な点がございましたら、お気軽に弊社までお問合せ頂ければと存じます。また、特別入国手続きにおいては手続き内容も刻一刻と変更されることから、最新の情報をその都度入手されることをお勧め致します。

最後に、筆者が個別特例入国において負担した費用をご参考までに記載致します。各費用は入国のタイミングや手配の方法により変動する可能性がございますのでご注意ください。

 

<参考:個別特例入国の費用負担>

項目 費用(円) 備考
フライト費用 12万円 成田-ホーチミンの片道チケット代
ホテル宿泊費用 15万円 15泊分の宿泊料金
PCR検査費用 3万円 日本での検査費用のみ
送迎車費用 1万円 空港-隔離ホテル間の送迎車
ビザ取得費用 1万円 大使館へ支払う実費のみ
合計 32万円

 

以上

Kiraboshi Business Consulting Vietnam Co.,Ltd.

福田