ベトナムビジネスQ&A
第25回「個人所得税について」
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<質問>
ベトナムでは個人所得税が高額になると聞いたのですが、ベトナムの給与所得に関する個人所得税に関する概要を教えてもらえますか?
<回答>
ベトナムの個人所得税法では滞在日数に関わらず、ベトナムで1日でも就労していれば納税義務が発生します。また、個人所得税の課税範囲が広いため、特に外国人労働者の個人所得税が非常に高額となる場合が多くなっています。
①居住者・非居住者
まず個人所得税を計算する上で重要なので、対象となる人が「居住者」であるか「非居住者」であるかという点です。なぜならこの居住性によって所得税が課される収入の範囲が大きく異なるためです。居住者となるのは以下の場合です。
- 暦年、あるいはベトナム入国日から起算した連続する12ヵ月のうち、ベトナム国内に183日以上滞在している者
- 恒久的居所を有する者
- 契約期間が183日以上の賃貸住宅等を有する者
上記に当てはまらない場合は、非居住者として区分されます。
また、課税所得の範囲は以下の通りで、居住者と判定された場合には所得の源泉がベトナムか否かに関わらず、全世界所得が課税所得となります。
居住者 | 非居住者 | |
ベトナムにおいて発生した所得 | 課税 | |
ベトナム以外の国で発生した所得 | 課税 | 非課税 |
②個人所得税の計算方法
一般的な個人所得税の計算方法は以下の通りです。
- 個人所得税={(総所得-非課税所得※1)-所得控除※2}×累進課税率
※1 非課税所得:駐在員の一時帰国に係る費用、駐在員の子女の教育費など
※2 所得控除:基礎控除(1,100万VND/月)+扶養控除(一人あたり440万VND/月)+従業員の拠出する保険料控除
【給与所得の累進税率】
今回は給与所得を中心に個人所得税に関してお伝え致しました。ベトナムは日本と比較するとすぐに最高税率に達することとなるため、想定以上に個人所得税の負担は大きくなります。ベトナム進出検討時には資金繰りに与えるインパクトなどに留意しながら計画をお立てください。
以上
(1ベトナムドン≒0.0056円)
KIRABOSHI BUSINESS CONSULTING VIETNAM CO.,LTD.
山下