第19回「ベトナムにおける休眠制度について」

ベトナムビジネスQ&A

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<質問>

現在、ベトナムにて現地法人を運営しておりますが、新型コロナ感染拡大に伴い長期間実施された社会的隔離により、企業業績は大きく低迷しています。徐々に規制緩和されてきた現在においても、当社事業領域においては先行き不透明なことから、一時的に現地法人を休眠扱いとすることも検討したいのですが、どのような手続きが必要となるのでしょうか?

 

<回答>

 ベトナムでは、投資法および企業法において休眠制度が定められています。休眠とは、投資プロジェクト活動の停止を意味し、行政機関への届出を前提として、会社を休業させ、税務申告と最低限の行政機関報告だけで会社を存続させる制度のことです。

活動を停止する場合、投資者は書面にて投資登録機関(計画投資局・投資登録課)に通知しなければなりません。活動停止の決定から5営業日以内に通知する必要があります。

なお、活動停止の最長期間は12カ月となっており、期限内での再開や停止の延長は事前通知により可能となっています。

企業は企業登録機関(計画投資局・企業登録課)に対して、実際に活動を停止する日の3営業日前までに書面にて通知する必要があります。なお、通知した停止予定期間より前に活動を再開する場合も、再開日の3営業日前までに書面にて通知する必要があります。

企業は、活動停止期間中も、残存する租税・社会保険の納付義務を負い、従業員、顧客、仕入先等への義務は、別途の合意がない限り、契約に従い引き続き負う必要があります。活動停止により経費を押さえるためには、事前に、より廉価な事務所へ移転を行うことで家賃支出を低減させるなどの対策や、従業員との合意に基づき、労働契約の履行を一時停止するといった措置を行うことが重要となってきます。

  • Step①:休眠日の3営業日前までに当局に届出を行う
  • Step②:当局は、届出の受領日から3営業日以内に休眠を認める証明書を発給
  • Step③:延長したい場合は、上記①+②の手続きを再度行うことで休眠の延長が認められる。

(※届出毎、休眠期間は12ヶ月を上限)

  • 最後に

新型コロナウィルス感染拡大といった様々な外部要因に伴い、ベトナム事業の再構築や見直しを検討する際には、手続きに時間を要する場合もありますので、常に最新の法令を確認のうえ対応されるようご留意願います。

 

以上

 KIRABOSHI BUSINESS CONSULTING VIETNAM CO.,LTD.

 山下