第31回「工場閉鎖時の労働契約の手続きについて」

ベトナムビジネスQ&A

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31回「工場閉鎖時の労働契約の手続きについて」

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<質問>

弊社は新型コロナの影響もあり、ベトナムの工場を1つ閉鎖する計画があるのですが、同工場で勤務している従業員の労働契約はどのように進めればよいのでしょうか?

 

<回答>

工場の閉鎖は労働法42条に規定する「組織構成の変更」に該当し、労働使用計画書を作成・計画書どおりに実施しなければならないとされています。また、配置可能なポストがある場合には、労働者の雇用を継続するために、労働者への研修を優先的に実施することとされています。つまり、他の工場等で勤務が可能な場合は、雇用主は労働契約を継続する義務を負っています。やむを得ず、労働者を解雇する場合には、労働法47条の定めにより、失業手当を支払わなければなりません。また、配置可能なポストがない場合や労働者が新しい職務場所に同意しない場合は、当該労働契約を終了することとなります。

雇用主は上記事由により、従業員を解雇する場合には30日前までに労働者と人民委員会に通知する義務があります。また、従業員が労働組合に加入している場合には、労働組合との意見交換も必要となります。失業手当については、満12ヵ月以上勤務した労働者が対象となり、勤続年数×1ヵ月分の給与を支払う必要があります(最低でも2ヵ月分以上の給与相当は支払わなければなりません)。ただ、ベトナムにおいては、労働者が失業保険に加入している期間は除外されますので、失業保険に加入している限り、雇用主は失業手当を拠出しなくてもよいこととなります。しかし、試用期間において、失業保険に加入していない場合、雇用主は少なくとも2ヵ月分の給与に相当する失業手当を支払わなければならないとされています。

今回は工場閉鎖時の労働契約の手続きについてご説明しました。他、労務についてご質問がある場合は、お気軽に弊社までご連絡下さい。

 

以上

 KIRABOSHI BUSINESS CONSULTING VIETNAM CO.,LTD.

 福田